大自然に恵まれた環境で成長した私は、丹後ちりめんの織物指導員として、限りなく細い一本の糸を、織物として創り上げていく喜びに熱中した時がありました。

ある日突然父が脳溢血で倒れ、病院に入院したのです。 ずい分と心配をかけ、親孝行のまねごともしたことのなかった私は、何とか再起してほしいと願い、とっさに、 “くるみの実”を掌に握って動かしていれば効果があると聞いたことを思い出し、探しましたが見当たらず、かわりに繭があり病院に行き、家族で交代で、意識不明の父の全身を繭でマッサージをすると、父の皮膚は赤みを帯び、やがて意識を取り戻してくれました。

筋肉の硬直もあまりみられず、スムーズに動けるようになり病院の方にも不思議だと言われました。 ひょっとして繭が良かったのではと思い、あれこれと工夫をして約3,000個の繭を糸でつないで、綿でくるんで敷布団を作り試してみました。 これで益々繭の威力を感じ、テストを繰り返したり、改良・工夫を重ねるようになりました。 はじめは寝具だけだったのですが、次々と健康用品ができ上がっていきました。

昼夜を問わず繭のことで頭の中はいっぱいでした。健康の本も読みあさり、繭や絹糸についての実験もいろいろ繰り返しました。どうにもならない壁が幾重にも立ちはだかったこともあります。


そんな中、多くの方々から喜んでいただくことの喜び、お役に立つことができたという充実感を支えに今日まで歩んで来られたのだと思います。また、大学の先生方、各研究機関の方々には絶大なご支援をいただき感謝の気持でいっぱいです。

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